ウェブカメラを接続して、まばたき(とマウス)で操作を行うかなり特殊なゲーム。ゲームというよりインタラクティブな絵本とかのほうがイメージしやすいかもしれない。The Game Awards 2021 Games for impactにノミネートされたりその年のいろんなゲーム賞を獲得している。プレイ時間が1時間ちょっとと少なめ。
死後の世界に行ってしまった魂の、生前の記憶を追体験する内容なのだけど、追体験してる途中にメトロノームアイコンが表示されると、まばたきした瞬間に次の記憶に強制的に飛ばされてしまう。次の記憶というのはさっき見てた記憶の数十秒先なときもあれば数年先のときもある。どう頑張ってもまばたきを我慢し続けることはできないので、基本的に「あーもっと見たかった(やりたかった)のに…」が多発する。
正直この作品を「ゲーム」として捉えてしまうと、(なんでもコンプリートしてしまいたい性分の僕なんかとくに)すっごい不満に感じてしまう。だって自分の意志とは無関係に、自分の操作(まばたきをするという我慢できない生理現象)によって話がスキップされゲームがどんどん進んでしまうから。なので、最初あまり深く考えずにゲームを進めていたときには何をやらされているのかあんまりよく分からなかった。
ただゲームを進めていくうち、この作品のコンセプトの通りに自分が「死後、生前の記憶を思い出そうとしている主人公そのもの」であると捉えられたとき、ようやくこのゲームの面白さが分かった気がする。少なくともこんなにも強烈に心から「死にたくない」「死ぬのがこわい」と思ったのは初めてだと思う。それくらい自分とゲームの主人公がリンクする体験だった。
ちなみにこのゲームが始まってすぐVRでの体験を見越して開発されているのをすごく感じた。まだVR版は出ていないが、おそらくアイトラッキングが可能なVRデバイスが発売されたら確実にそのデバイスに向けたVR版を出してくるんじゃないだろうか。(Apple Vison Proはアイトラッキングが乗ってるので出してくるかも?)
そうなると体験の精度がめちゃくちゃ上がると思う。楽しみだなぁ。
…と思ったらPS VR2ですでに出ていた。PS VR2ってアイトラッキング搭載してたのね。PS VR2が売れてなさすぎて全然話題になってないのかな。もったいない。